朝起きたら、あなたはイヌになっていました。
トイレにいきたい…でも場所がわかりません。 (さすがに家の中でするのはまずいよな・・) 外へ行きたいアピールでドアをガリガリ引っ掻いてみます。 でも家族はドアを開けてくれませんし、こちらを気に留めてもくれません。 我慢できないあなたは「あけて!!」と吠えます。 『しー!静かにして!』家族のみんなはバタバタと忙しそうです… みんなが出かけた後に、やっと外に連れて行ってもらえました。 (ふぅ・・辛かった。。。) トイレを済ますと、通りの向こうからすごいスピードでこちらに近づいてくる人がいます。 人目線から見るとなんて事ないランナーも、犬目線から見るとその勢いや地面の振動はかなりの迫力です。 (あの人は何?怖い!!)ここから離れなきゃ!! あなたは勢いよく逆方向に逃げようとします。 すると飼い主さんは逃げようとするあなたのリードをグイグイ引っ張って元の位置に戻そうとします。
(どうしてそんなに引っ張るの?ここから離れたいのに…)
犬にならないとしても、もし私たちの世界に言葉というコミュニケーション方法が一切なくなったとしたら、どうやって思いや要求を相手に伝えますか? 身振り手振り、音をたててみる、目つき、態度などで示してなんとか意思表示をするでしょう。 意思表示をする相手が懸命に思いを読み取ろうとしてくれるならば幸運な事です。 思いが伝わり、希望が叶うかもしれません。 自分の言いたいことが伝われば、その人も満足するでしょう。 しかし、もし言葉のない意思表示を読み取る努力など全くしてくれない人が相手の場合はかなり辛い状況です。 理解するつもりのない人にとっては大げさに振る舞ったりアピールするほどに疎まれる結果になります。 その上自分の希望は何一つ伝わらないし、叶えられることもありません。 そんな相手には信頼感を寄せるはずもないでしょう。 しかしこの場所から離れるという選択肢は自分にはない。 すると、どのような方法でもいいからとにかく相手の動きをコントロールして自分の思い通りにさせたいと思うようになるはずです。
人の要求に応える2頭の犬。 一見同じように見える『言うことを聞く2頭の犬』ですが、実は心の中の思いには大きく違いがあります。 飼い主に対して信頼感を寄せ、自ら側に寄り添い、人の指示に対して素直に従うタイプ。 かたや、こうすれば飼い主は餌を差し出すからと自身の態度によって人の動きをコントロールしようとするタイプです。 こちらのタイプの犬は気分によって、または必要性がないときは一切言うことを聞きません。 犬に信頼される人になるためには、犬の気持ちを理解しようとする姿勢が何よりも大切です。 伝えたい思いがあるのに、聞いてくれようともしない。 それはとても辛いことです。 そんな思いをさせないように、犬たちの言葉なき思いに耳を傾けてあげるようにしましょう。 愛犬はきっと今日も明日も、あなたに思いを伝えようと一生懸命になっているはずです♪