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ふっきれた犬は強い!〜社会化〜

見知らぬ環境にひとり置かれた時や困難な壁にぶつかった時、あなたはどうしますか?

自分に自信を持っていたり、経験豊かな人であれば自身の力で解決策を見つけ出し、すぐに新たな道を切り開く事ができるでしょう。
しかしながら、外の世界をほとんど知らず、社交性も乏しく、過去に自分の力で何かを解決したことがない人の場合はどうするでしょうか。

おそらく、ひたすら耐える事によって状況が改善するのを待ってみる。 
または、人の助けや周囲に変化が起こる事を期待するのではないでしょうか。

しかし、いくら待っても周囲が一向に変わらなかったら?周囲は変化しないのだと諦め、今まで不安でしかたがなかった未知の世界へ勇気を出して一歩を踏み出してみると、大抵の事は想像していたよりも簡単だったり、すんなりと受け入れる事ができたりするものです。

一歩を踏み出す事が出来ればその後の成長は早く、世界は一気に広がります。

社会化不足の犬たちの怖がりを克服するためには、日帰りの保育園ではなく数週間泊りのドッグキャンプがオススメです。
今回のテーマは、社会化不足の犬がドッグキャンプに参加した時に起こる心の変化についてのお話です。

社会化不足の犬たちはみんな同じような行動をとります。 まずはごはんを食べません。いつも自分の家で一人安全な状態でごはんを食べていた犬が、急に沢山の犬たちに囲まれる環境に置かれたら緊張で食べる事が出来なくなるのは当然の事だと思います。 そして常に周囲を警戒し、極度の緊張で震え、眠る事ができなくなります。 この段階での犬の思いは、『早く飼い主に迎えに来て欲しい。』『怖いからとにかくじっとしていよう・・・』です。 まだ飼い主に対しての甘えや望みを持っていますし、自分が行動を起こすよりも時が経つことで状況に変化が起こる事をただ待っています。

しかしいつまでもそうしている訳にはいきません。ずっと食べなければ死んでしまうし、いつまでも体を震わせているのも疲れてしまいますし、眠らないわけにもいきません。それに、24時間毎日他の犬と一緒にいればいずれ緊張感もとれてきます。

犬たちにはふっきれる日があります。大きな変化は、ごはんを急に食べ始める日です。ごはんを食べられるようになったという事は、自分の力で生きていかなければいけないのだと考えが大きく変わったということです。

『飼い主の助けは期待できない。自分が行動しなければこの状況は変化しない。』

そのように自分自身で壁をやぶる事が出来た犬たちは大きく成長します。3週間のドッグキャンプの中で、はじめはとても怖がりだった犬たちがある日突然ふっきれたように活発に遊ぶようになる姿を何度も見てきました。

【自分の行動が、自らを取り巻く環境を良い方へ大きく変化させた】という経験は、これから生きていく上で大きな自信となることでしょう。 保育園の日帰りでは毎日お迎えがきてしまうので、怖がりさんは1日中飼い主さんを待ち続けるだけになってしまいます。 ドッグキャンプのように長期間のお泊りをすることで、人に頼らず自分の力で生きていくという意識とたくましさが身に着くのです。

幼いうちに経験する3週間のドッグキャンプは、今後の犬生に大きな影響を与えるはずです。 犬の時間の流れ方は人間よりずっとはやいので、3週間もいればきっと半年間過ごしたぐらいの経験になるはずです。 
私たちに例えるならば、知らない国へ放り出されて『半年間、ひとりで生きてみろ』と言われているようなものです。 強くなれそうですね!!